身近になった高性能画像伝送技術
前々回のブログでデジタル技術とアナログ技術の融合がもたらす効果について話題にしましたが、世界のドローン界をリードするDJI社は映像転送の品質にこだわり抜いたユニットをリリースしました。
今日話題にするのは「DJI O3 Air Unit」というガジェットです。
このユニットは、ドローンそのものではありません。ドローンを操縦するパイロットとドローンの通信を司どる機能に特化したユニットです。
このユニットの優れているところは、ドローンが捉えた画像をデジタル技術を使って長距離しかも低遅延で伝送する性能を有するところでしょう。デジタルで低遅延を実現するのは高い技術を必要とします。このユニットは、1080p/100fps のビデオ伝送品質で約30msecの遅延で画像伝送を可能にしているとされます。
この遅延性能とは、時速100Kmで飛行するドローンから送られてくる映像がパイロットに届くまでにドローンは83cm進むということを意味しています。デジタル技術の欠点が限りなく取り除かれたと感じさせる製品ですね。高品質なデジタル伝送通信技術も身近になったと言えるでしょう。
DJI社はドローンやそれに特化したカメラの開発に力を入れていると理解されていますが、それを支えているのがこの伝送技術なのです。残念ながら、日本での発売は未定ですがドローン開発に携わる皆さんにとっては、心踊らされる製品ではないでしょうか。以下の映像は、この製品を搭載したドローンで撮影した映像です。
このような飛行をする時には、アナログ信号で送られてくる映像を頼りに操縦していましたが、皆さんが独自に開発したドローンにこのユニットを搭載すれば、リアルタイムに高品質な映像を見ながらさまざまな作業をさせることが可能になるという訳です。メーカーの意図を超えた応用ができそうな気がするのは私だけでしょうか。
日本での発売が待ち遠しいですね。
デジタル技術はその欠点を補いながら進化すると、ある意味では限りなくアナログに近づいて行くと言えるのかもしれません。少し悲しい気もしますが「真似できないよ」という職人さん達の匠の技術もいつかデジタル化される日が来ると思っていた方が良さそうです。アナログの素晴らしさをデジタルに置き換え、加えてデジタルのよさを存分に享受する。その取り組みこそが、まさに「DX」なのかも知れません。